マイノリティ独女は今日も生きるのがつらい

普通をあきらめた限界女性の創作

声劇台本 3人用 「おネエ2分の1~新宿二丁目のレジェンド~」

オリジナルフリー台本   音声化OK

新宿2丁目のとあるバーで語られる、とある伝説のおネエのおはなし。

 

完全オリジナルフリー台本です!Twitterのお友達「かーす」さんをモデルに書きました。筆が走るままに勢いで書いたので、始終テンション高いです。声劇やボイスドラマ制作に是非ご利用ください。カオスな世界観がお好きな演者さんにオススメです。自由に楽しく演じてくださいね♡

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配役

★=あかつき(♀)
☆=まゆみママ(♂)
◎=謎のイケメン男(♂)

男女3人劇。2:1:0

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─カランコロン(ドアを開ける音)

★まゆみママぁ!来たよ~!
☆あらぁ!あかつきじゃない!いらっしゃい♡
★ここ来るの久しぶりだな~
☆ほんとよぉ!最近ちっとも顔出してくれないんだからぁ!まゆみ泣いちゃう!!
★はーい、勝手に泣いててくださーい
☆扱いが雑ぅぅ!
★ここ座るね~。あ、焼酎の午後ティー割りお願い!
☆ねぇ聞いて?ママの話聞いて?
★最近仕事ばっかりでさぁ、すっごい忙しくて。家には寝に帰るだけだし。毎日全然楽しくないんだよね~
☆んもう!私を無視して自分語り始めないでちょうだい!
★ねーえ?なんか面白い話ないー?
☆面白い話……そうねぇ……。はい、午後ティー割りお待たせ♡

─コトン(グラスを置く音)

★ありがとー!
☆そうだ、あんたにあの話したかしら?
★何の話よ?
☆伝説のおネエ、かーすの話よ♡
★で、伝説?!
☆ここ新宿2丁目で彼女を知らないものはモグリと言われているわ!
★へー!そんな凄い人いるんだ?!知らなかった、どんな感じなの?
☆まずスペックが高いのよ。一昔前の、いわゆる3Kってやつね。高身長・高学歴・高収入、さらに超イケメンなのよ~!
★うひゃー!!優良物件!!
☆でしょー??それだけじゃないわよ!趣味は家事で、料理もお菓子も作れちゃうし、手芸とかアクセサリー作りまで得意なの!
★女子力高っ!!私より女子!!!
☆ほんとそうなのよ。優しくて、女子以上に気配りもできて。ただ……
★ん?ただ……なに?
☆ただ……絶望的に頭がイカれてるのよ……
★……え?
☆彼女がまだ彼だった頃、野生のパンダと手合わせをしたいって言って、1人で中国の奥地の山へ行ったことがあったの
★……今なんて?
☆文武両道で、柔道も空手も黒帯だったのよ、彼。ほんとハイスペック
★いやそうじゃなくて、えっと、パンダ?パンダと手合わせ??
☆でもかなり険しい山で、途中で遭難してしまったのよ。思い立った勢いで山に行ったから、ろくに装備もしてなくて。勘に頼るからって言って地図も持たずに山に入っていったんですって
★ほんとにその人高学歴?大丈夫?
☆そして迷った先で見つけたのが、あの呪泉郷(じゅせんきょう)だったの
★いや知らないし。呪泉郷とか知らないし
☆あら!あかつき知らないの?!漫画「らんま1/2」でお馴染みの、落ちると体質が変わってしまう泉がたくさんある伝説的秘境よ!
★全然知らないし、体質が変わるってどういうことよ?健康になるとかそういう?
☆馬鹿ねそんな生易しいもんじゃないわ!例えば「らんま1/2」の主人公の乱馬は水を被ると女に、他の登場人物だと、良牙(りょうが)はミニブタ、シャンプーは猫、乱馬の父はパンダ、って感じで、泉に落ちたものは皆、それぞれの泉の呪いで水を被ると変身しちゃうふざけた体質になっちゃうのよ!まあ、お湯を被ると元の姿に戻るんだけど。不便よねぇ。
★わー……とんでもなくカオスな設定……。それは確かにふざけた体質だわ…。でもそれは漫画の話でしょ?現実世界にそんな馬鹿みたいな泉あるわけないじゃん
☆そうね、誰もがそう思ってたわ……誰もが……

─カランコロン(ドアの開く音)

☆あらぁ~~!お久しぶりね!会いたかったわぁ~!
◎こんばんは、まゆみママ。久しぶりだね。僕も会いたかったよ、なかなか顔出せなくて悪いね
★(コソコソ話)えっ、ちょっ、誰あのイケメン!常連?!
☆んもう!来るんなら連絡してちょうだいよぉ、とびっきりイイお酒用意したのにぃ~!
★(コソコソ話)えっ、無視?無視なの?
◎はは、そうなると思って突然来たんだよ。僕にイイお酒なんてもったいない。……隣、いいですか?はじめまして、かな?
★えっ私?!は、はいっ!どうぞどうぞ!隣でも膝の上でもお好きに!じゃない!違っ、私何言ってるんだろ、ご、ごめんなさい!
◎ははは。楽しい方ですね。それにとてもチャーミングだ
★い、いえ、そんな……!
☆あらあかつきったら、もう惚れちゃったの?
★えっ?!ち、ちが
☆でもだーめ♡
★だ、だめ……?あー……そっか!こんな素敵な方、彼女いるに決まってますよね!やだな私ったら、ははっ
☆そうじゃなくて

─バシャアアア!(水をぶっかける音)

◎うわっ!
★きゃあああああ!!!!
◎あー……
★だ、大丈夫ですか?!ちょっとママ!お客様になんてことするのよ!
◎そうよぉ!いきなりびっくりするじゃない!それに新しいスーツがびしょ濡れだわ!
★ですよね?!ひどい!なんでこんな………………え?
◎……え?
☆……え?
★……いまイケメンさんおネエ語で話してませんでした?
◎そうだけど?おネエ語っていうかオネエっていうか。あらやだ、もしかしてこの子知らないの?
☆ごめんなさいねぇ、ちょうどあなたの話してたところだったんだけど、終わりまで話せなくて。ほらあかつき、さっきの!伝説のおネエ、かーすの話よ!
★や、伝説のおネエの話は覚えてるけど、ちょっと何がどうなってるのか……
☆呪泉郷は本当にあったのよ!現実の、中国の山奥に!かーすはそこで泉に落ちて、水を被るとおネエになっちゃう中途半端な体質になってしまったの
★水を被ると……おネエに……。じゃ、じゃあ……このイケメンは……まさか……
◎はじめましてあかつきちゃん♡伝説のおネエ、かーすで~す!よろしくねぇ♡
★お、おネ……エエエエエエええええええええええ?!?!?!
☆そーいうこと。だからあんたも女に飽きたら呪泉郷につれてってもらいなさいな。人間に飽きたら動物にもなれるわよ?
さてと。かーす?お湯とタオルとどっちがいいかしら?
◎今日はもう男に戻りたくない気分だわ♡だからお湯はい・ら・な・い♡みんなで朝まで女子トークしましょ♡ね?あかつきちゃん♡
☆残念ながら聞こえてないみたいねぇ。白目剥いてるし。かーすが相当好みのタイプのイケメンだったのかしらねぇ。可哀想に
◎やぁだ~!イケメンじゃなくて、美人って言って!
☆あら~!そうだったわ!私もまだまだね!ふふっ
◎☆(2人で)うふふふふふふっ

★(ナレーション)次の日目が覚めたら、わたしは自宅のベッドで寝ていた。昨晩の記憶が途中からすっぽり抜けている。ママに伝説のおネエの話を聞いてたとこまでは覚えてるんだけど……その後誰かもう1人来たような……男だったような……女だったような……

─ギシ、スタスタスタ
(ベッドからおりて室内を歩くスリッパ音)

★あれ?なんだろこのカード。名刺か。「かーす」……誰だろ。ん?裏になんか書いてある。
「あかつきちゃんは面白いから特別におネエポイント5ポイントあげちゃう♡TwitterでもおネエポイントGETできるから、私をフォローして頑張りなさいね♡」
…………なにこれ。ポイントって。貯まったらどうなるのかもよくわかんないし。怖いから見なかったことにしよ……

─ボフッ(ソファに座る音)

★さーて!久しぶりの休みだし、家でゴロゴロネットショッピングでもしよ!
漫画買いたいんだよね~!……えーと……あ、あったあった!……でもなんでこれ買おうと思ったんだっけ?んー、思い出せないけど、まぁいっか!
よーし、「らんま1/2」!お買い上げ~~!

─ポチ(効果音)

 

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☆。.:*・おわり☆。.:*・゜

高橋留美子先生のまわし者ではございません!!「らんま1/2」のステマでもございません!!好きだけど!!らんまは大好きだけれども!!

 

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