マイノリティ独女は今日も生きるのがつらい

普通をあきらめた限界女性の創作

朗読台本 詩 「春の雨」

「春の雨」

暗い雨の夜道(よみち)に
ぼんやり浮かび上がる
花びらの絨毯(じゅうたん)
打ち付ける雨に
薄紅(うすべに)が滲(にじ)んで溶(と)ける

乱(みだ)れ咲(ざ)いた桜も
燃えるような恋も
春の嵐に儚(はかな)く散(ち)った

傷ついた分だけ優しくなれるなら
こんな私でもいつか
歩き疲れた誰かの心を
癒(いや)せる日がくるのだろうか

この痛みも無駄(むだ)じゃないなら
前を向いて歩いていこう

雨は静かに降(ふ)り続く
溢(あふ)れる涙も悲しみも
全て流してしまうまで
いつまでも