マイノリティ独女は今日も生きるのがつらい

普通をあきらめた限界女性の創作

朗読用

朗読台本 詩 「プラネタリウム」

「プラネタリウム」 天井(てんじょう)に映し出される星空が私を癒(いや)す午後8時 雨の日の憂鬱(ゆううつ)も伝えられずに散(ち)った想いもこうして見上げればみんな、遠くに 静かに流れるアナウンスが知らなかった星の名を教えてくれて新しい私になれる気が…

朗読台本 詩 「線香花火」

「線香花火」 パチパチと静かに火花を散(ち)らす線香花火じっと見つめる、私とあなた 赤く膨(ふく)れ上がる玉が落ちてしまうその前にあなたに想いを伝えたいのに 明かりに照らされるあなたの優しい微笑(ほほえ)みに心奪(こころうば)われて何も言えなくなる …

朗読台本 詩 「彗星」

「彗星(すいせい)」 あなたはまるで闇夜(やみよ)に流れる箒星(ほうきぼし) 膝(ひざ)を抱えて小さくなったわたしの前に突然流れ落ちて眩(まぶ)しいくらいに光を放(はな)って私の心を攫(さら)っていって そうして瞬(まばた)きのうちに深い藍(あい)に吸い込まれ…

朗読台本 詩 「春の雨」

「春の雨」 暗い雨の夜道(よみち)にぼんやり浮かび上がる花びらの絨毯(じゅうたん)打ち付ける雨に薄紅(うすべに)が滲(にじ)んで溶(と)ける 乱(みだ)れ咲(ざ)いた桜も燃えるような恋も春の嵐に儚(はかな)く散(ち)った 傷ついた分だけ優しくなれるならこんな私…

朗読台本 詩 「夜に咲く」

「夜に咲く」 夜空の色が褪(あ)せるほど眩(まぶ)しく輝くあの月とあなただけが私の熱情(ねつじょう)を知っている 絡(から)めあった指の先から全身に広がる甘い熱 白い皮膚(ひふ)の下で紅(あか)く沸(わ)き立つ血潮(ちしお) 星の数ほど何度「好き」を言葉にし…

朗読台本 詩 「銀河鉄道」

「銀河鉄道」 ひとつの曇(くも)りもない澄(す)んだ空気を纏(まと)ったサファイアの夜空 神さまが手にした宝石箱からこぼれ落ちた星屑達(ほしくずたち)はいっそうキラキラ輝いて こんな夜は銀河鉄道に乗り込んであなたと2人どこまでも旅しよう 見たことのない…

朗読台本 詩 「孤高の月」

「孤高(ここう)の月」 きっとずっと今より楽(らく)になれるとわかってはいるけれど この手を離すことが何より怖くて躊躇(とまど)って気付かないフリをして繰り返して 今夜も孤高(ここう)に光を放(はな)つ白い月眩(まぶ)しくて、きゅっと目を瞑(つむ)る どうか…

朗読台本 詩 「星の川を泳いで」

「星の川を泳いで」 満天の星が水面(みなも)のように煌(きら)めく夜は星の川を泳いであなたに会いに行きたい 漂(ただよ)う星屑(ほしくず)は鱗(うろこ)のように銀に光るばかりいくらかきわけても向こう岸には届かない 会いたい 触(ふ)れたい 感じたい 気持ち…

朗読台本 詩 「アンタレス」

「アンタレス」 息もできないくらいの情熱で互いを求め合う夜はさそり座のアンタレスが闇夜(やみよ)に一際(ひときわ)、赤く輝く 私の燃える心臓は火花(ひばな)を散らして愛を叫ぶ 1秒だって、離れたくないこうしてあなたに触(ふ)れていいのは私だけ 尽(つ)き…

朗読台本 詩 「星の雨にうたれて」

「星の雨にうたれて」 星が降(ふ)る夜切なさが宿(やど)る風が吹く 流れる髪が月の光を反射(はんしゃ)してサヨナラは藍(あお)く宙(ちゅう)に舞う このまま星の雨にうたれて埋(う)もれてしまいたい 何も見えない何も聞こえないあなたの悲しい言葉に触(ふ)れず…

朗読台本 詩 「月に手を伸ばして」

「月に手を伸ばして」 どれだけ手を伸ばしても届かないあの月に似て私の目に映(うつ)るのはあなたの背中ばかり 追いかけても追いかけても届かない 決して掴(つか)めないとわかってはいるけれどそれでも月に手を伸ばすこの夜のように 諦(あきら)められない想…

朗読台本 詩 「桜の夜」

「桜の夜」 ぼんぼりの満月がふんわり浮かぶ桜の夜は あなたの肩に頬(ほお)を寄せ重(かさ)ねた手のぬくもりをいつまでも感じていたい 薄紅(うすべに)の花びらが儚(はかな)く舞って月夜(つきよ)に映(は)える、あなたの笑顔 胸の奥がきゅっとして、息を飲むこ…

朗読台本 詩 「雨粒」

「雨粒(あまつぶ)」 しとしとと降(ふ)り続く雨に濡(ぬ)れて黒い雲に覆(おお)われた夜空を見上げる 何も見えない月も星も、あなたの気持ちも 頬(ほお)を伝う雫(しずく)がつめたい雨に溶(と)けながら哀(かな)しく身を光らせて 地面に落ちては泡のように弾(はじ…

朗読台本 詩 「白鳥座」

「白鳥座(はくちょうざ)」 大きな十字星(じゅうじせい)が燦然(さんぜん)と輝く夏の夜(よ)は あの白鳥(はくちょう)に飛び乗ってあなたのもとへ飛んでいきたい あなたに会えたら今夜の湿(しめ)ったこの風もサイダーみたいに爽(さわ)やかに香るから 夜空をひと…

朗読台本 詩 「首すじの熱」

「首すじの熱」 あなたが口付けた首すじが熱を帯(お)びて疼(うず)く 深まる夜眠れない私 あなたに抱き寄せられて見たハチミツ色に艶(つや)めく月を 思い出した溜(た)め息は甘く、切ない 持て余(あま)した体 朝が闇夜を攫(さら)う前にもう一度だけ、抱きしめて

朗読台本 詩 「柔らかい、光」

「柔らかい、光」 ぽっかりと浮かんだ満月もキラキラと瞬(またた)く星たちも灰色(はいいろ)の雲が隠してしまう、夜 咽(むせ)び泣くこの声も次から次に溢(あふ)れる涙も深い闇に溶けて混ざる あなたは知らない胸が詰(つ)まるような、この想い あなたは知らな…

朗読台本 詩 「声をさがして」

「声をさがして」 夜はこんなにも静かなのにあなたの声は聞こえない 月はその身を銀に濡(ぬ)らしてただ、孤独(こどく)を嘲笑(あざわら)う 星は瞳(ひとみ)の奥でチカチカ揺れて一粒(ひとつぶ)、また一粒と溶(と)けていく わたしはじっとからだを丸めて目を閉…

朗読台本 詩 「こんぺいとうの夜空」

「こんぺいとうの夜空」 穏(おだ)やかな月明かりの下であなたにそっと抱き寄せられてこんぺいとうの夜空に甘く包まれる 私の胸は色とりどりにあなたの言葉に仕草(しぐさ)に染まる ぬくもりは夢のよううっとりと目を閉じて何度も確かめる もう少しだけ、この…

朗読台本 詩 「三日月」

「三日月」 あなたが嫌だと恥(は)じるその欠点(けってん)さえも私は愛しく思っているの 隙(すき)のない満月よりも欠けた三日月のほうがずっと魅力的でしょう? 完璧なんて求めてないの足りなくてもいいそのままのあなたが何より魅力的だから ダメなところも…

朗読台本 詩 「きらきらひかる」

「きらきらひかる」 あなたの熱が冷めない鳴り止まない、胸の高鳴(たかな)り グラスの氷が月明かりをいっぱいに吸い込んで光を放(はな)ちながらきらきらと溶けていく まるであなたの口付(くちづ)けのよう儚(はかな)く、美しく輝いて あなたに酔いしれて甘い…

朗読台本 詩「花火の夜」

「花火の夜」 濃紺(のうこん)の空いっぱいに咲き乱れる大輪(たいりん)の花胸の鼓動(こどう)を加速させる身体中(からだじゅう)に響(ひび)く音 垂(しだ)れの余韻(よいん)に切なさが色を落とす 触(ふ)れるか触(ふ)れないかもどかしいこの距離を縮(ちぢ)める勇気…

朗読台本 詩 「月のウサギに恋する君を」

「月のウサギに恋する君を」 月のウサギに恋をして身を焦(こ)がす君叶わぬ思いに丸い月を見上げては涙する 涙を一粒(ひとつぶ)そっとぬぐうと恥ずかしそうに、困ったように笑う君 そんなに遠くばかり、見ていないで この想いを伝えたらその潤(うる)む瞳(ひと…

朗読台本 詩 「流星(りゅうせい)」

「流星」 燃えて燃えて、燃え尽(つ)きた星屑(ほしくず)が南の海に消える あなたがくれた沢山(たくさん)のはじめてを今夜、海に返すよ あれほど誰かを求めることはもうないかもしれないけれど未来の自分を信じてみたい だから今だけ、力を貸して背中を押して …

朗読台本 詩 「天の川」

「天の川」 あと幾晩(いくばん)か眠ったらもうすぐに天の川に橋をかけてあなたに会いに行ける あなたを想って何度も何度も涙した張り裂けそうなひとりの夜に 幾重(いくえ)にも織ったこの想いをあなたに届けにいくから 綺麗だと言って強く、強く抱きしめても…

朗読台本 詩 「星をあつめて」

「星をあつめて」 どんなに強く願っても叶わない願いはあるけれど 君の願いはきっと真っ直(す)ぐに天に届く 君の傍(そば)には、僕がいるから 願いが叶うようにガラス玉に星をあつめて君に贈るよ 君の掌(てのひら)の中で小さな宇宙が煌(きら)めいて息を呑(の)…

朗読台本 詩 「月の囁き、星のうた」

「月の囁(ささや)き、星のうた」 藍(あい)色がどこまでも続く夜は 月の声に耳を傾(かたむ)け星の歌で眠ろう 1人見上げるこの空も悲しくなんかないでしょう? あなたの熱を感じる夜はもう来ないけれど 三日月が目を細めて微笑(ほほえ)むから私も顔を上げて笑う…

朗読台本 詩 「夜を越えて」

「夜を越えて」 濃紺(のうこん)の空が朝に染まっていく眠れない夜をまた越えてあなたの居ない今日がはじまる 傷は癒(い)えない悲しみは消えない独(ひと)りには慣れない 黄金色(こがねいろ)の月は顔色(かおいろ)を白く変え私を冷たく見下ろしている あなたの…

朗読台本 詩 「星をつないで」

「星をつないで」 眠れない夜 見上げた夜空の星たちを線でつなぐ 散りばめられた瞬(またた)く星をあといくつ辿(たど)っていけば あなたの元へ行けるんだろう せめてこの想いだけ流れる星に乗せて届けたい 遠く離れた、あなたの元へ

朗読台本 詩「祈り」

「祈り」 紺色の空に星の欠片(かけら)が流れたら目を閉じて祈ろうあなたの幸せをわたしの幸せを 叶わない想いなら届かない想いなら天(そら)の川に流してしまおう 辿(たど)り着いたその先ですくい上げた神さまが きっと優しい微笑(ほほえ)みをくれるから あなた…