マイノリティ独女は今日も生きるのがつらい

普通をあきらめた限界女性の創作

朗読台本 詩 「雨粒」

「雨粒(あまつぶ)」

しとしとと降(ふ)り続く雨に濡(ぬ)れて
黒い雲に覆(おお)われた夜空を見上げる

何も見えない
月も星も、あなたの気持ちも

頬(ほお)を伝う雫(しずく)が
つめたい雨に溶(と)けながら
哀(かな)しく身を光らせて

地面に落ちては
泡のように弾(はじ)けて消える

出会ったことさえ、なかったように
愛したことさえ、なかったように
泡のように、弾(はじ)けて消える