マイノリティ独女は今日も生きるのがつらい

普通をあきらめた限界女性の創作

2020-09-15から1日間の記事一覧

朗読台本 詩 「雨粒」

「雨粒(あまつぶ)」 しとしとと降(ふ)り続く雨に濡(ぬ)れて黒い雲に覆(おお)われた夜空を見上げる 何も見えない月も星も、あなたの気持ちも 頬(ほお)を伝う雫(しずく)がつめたい雨に溶(と)けながら哀(かな)しく身を光らせて 地面に落ちては泡のように弾(はじ…

朗読台本 詩 「白鳥座」

「白鳥座(はくちょうざ)」 大きな十字星(じゅうじせい)が燦然(さんぜん)と輝く夏の夜(よ)は あの白鳥(はくちょう)に飛び乗ってあなたのもとへ飛んでいきたい あなたに会えたら今夜の湿(しめ)ったこの風もサイダーみたいに爽(さわ)やかに香るから 夜空をひと…

朗読台本 詩 「首すじの熱」

「首すじの熱」 あなたが口付けた首すじが熱を帯(お)びて疼(うず)く 深まる夜眠れない私 あなたに抱き寄せられて見たハチミツ色に艶(つや)めく月を 思い出した溜(た)め息は甘く、切ない 持て余(あま)した体 朝が闇夜を攫(さら)う前にもう一度だけ、抱きしめて