マイノリティ独女は今日も生きるのがつらい

普通をあきらめた限界女性の創作

朗読台本 詩 「彗星」

「彗星(すいせい)」

あなたはまるで
闇夜(やみよ)に流れる箒星(ほうきぼし)

膝(ひざ)を抱えて
小さくなったわたしの前に
突然流れ落ちて
眩(まぶ)しいくらいに光を放(はな)って
私の心を攫(さら)っていって

そうして
瞬(まばた)きのうちに
深い藍(あい)に吸い込まれて
消えてしまう

行かないでと泣いて縋(すが)れば
あなたは変わらず
隣(となり)で笑っていてくれたの?

今夜も
夜空に星は流れる
泣きたいほどに
儚(はかな)く、美しく